貧血のなかでも代表的な疾患である「鉄欠乏性貧血」を予防するには、肉や魚、野菜などの食べ物から鉄分を補給することが重要です。貧血にお悩みの方は、食事の見直しから始めてみてはいかがでしょうか。
今回は、貧血の人が積極的にとるべき食べ物はどれなのか、コンビニで手軽に買える食品や簡単に作れるレシピを紹介していきます。
【目次】
貧血の人が摂取したい3つの栄養素
貧血対策として食べ物から積極的にとりたい栄養素は「鉄分」です。また、鉄分の吸収を促す働きをもつ「たんぱく質」「ビタミンC」を合わせて摂取するのがポイントです。
まずは、この3つの栄養素について、それぞれの特徴や働きを見ていきましょう。
鉄分
鉄分は、血液中の赤血球の材料になる栄養素です。
鉄欠乏性貧血は、体内の鉄分が不足し、赤血球そのものやヘモグロビンを十分に作り出せなくなることで起こる貧血です。
また、鉄分は全身に酸素を運ぶ役割も担っています。
そのため、鉄分が不足すると頭痛や全身の倦怠感、脳に酸素が行き渡らなくなることで思考力や学習能力、記憶力が低下するなど、さまざまな体の不調が起こりやすくなるのです。
鉄分には、レバーなどの動物性食品に含まれている「ヘム鉄」と、ほうれん草などの植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があり、吸収効率が優れているのは、ヘム鉄です。
激しい発汗でミネラルを放出しやすいスポーツ選手やアスリート、月経がある女性のほうが鉄分は不足しがちなため、積極的に摂取するよう心がけましょう。
たんぱく質
たんぱく質は、炭水化物や脂質と並んで「3大栄養素」と呼ばれるエネルギー源です。
筋肉の材料になることで有名ですが、実は血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となる栄養素でもあります。
また、たんぱく質には非ヘム鉄の吸収を促す働きもあるため、鉄分を多く含む食べ物と一緒にとることで貧血対策になります。
ビタミンC
ビタミンCは、皮膚や細胞のコラーゲンの合成に関わる栄養素で、肌に良いビタミンとして知られています。
皮膚だけではなく、骨や血管といった体内のあらゆる場所で細胞と細胞をつなげる役割を果たしているため、健康維持には欠かせない栄養素です。
また、ビタミンCにはたんぱく質と同じく、鉄分の吸収を促進する働きがあります。貧血対策としては、鉄分が豊富な食べ物と一緒にとりたい栄養素の一つです。
貧血対策におすすめの食べ物はどれ?
貧血対策としては、具体的にどのような食べ物を選べば良いのでしょうか。
続いては、貧血対策におすすめの食べ物として、肉類や魚類、野菜や果物などの食材・食品を紹介していきます。
肉類
たんぱく質と鉄分を豊富に含む肉類は、貧血対策におすすめの食べ物です。
特に、レバーや赤身肉など、見た目が濃い色の肉は鉄分の含有量が多いので、貧血の人は意識して食べると良いでしょう。
・ レバー(特に豚レバーがおすすめ)
・ 牛赤身肉
・ ラム肉
・ 砂肝
など
魚介類
魚介類には、体内に取り込まれやすいヘム鉄が豊富に含まれています。
刺身や焼き魚、味噌汁など、毎日の献立にも取り入れやすいでしょう。焼き魚にはレモン汁をかけると、鉄分の吸収を助けるビタミンCを摂取できます。
・ イワシ
・ カツオ
・ サバ
・ アサリ
・ シジミ
など
野菜
野菜も貧血対策におすすめの食べ物です。
ただし、野菜に含まれるのは吸収効率が低い非ヘム鉄なので、たんぱく質やビタミンCを含む食べ物と一緒にとるのがポイントです。
牛乳やチーズ、肉類と合わせて調理をしたり、ビタミンCが豊富で彩りも良い赤ピーマンや黄ピーマンを加えてみてはいかがでしょうか。
・ パセリ
・ 小松菜
・ 枝豆
・ ほうれん草
・ サニーレタス
・ 大葉
・ チンゲン菜
・ ブロッコリー
・ モロヘイヤ
・ 春菊
・ ピーマン
など
果物
果物には、鉄分の吸収を促すビタミンCが豊富に含まれています。
貧血対策としては、鉄分が多い食べ物とセットで取り入れると良いでしょう。
レモンやすだちなど、酸味の強い果物が多いため、ドレッシングとしてサラダにかけたり、唐揚げなどのお肉にかけて食べるのもおすすめです。
・ レモン
・ キウイ
・ ゆず
・ すだち
・ いちご
など
大豆・乳製品
大豆や乳製品には、体内に吸収されにくい非ヘム鉄の吸収を促進するたんぱく質が豊富です。
また、納豆や豆腐などの大豆製品には、鉄分も豊富に含まれているので、貧血対策にはぴったりの食べ物と言えるでしょう。
・ 大豆(水煮)
・ 豆腐
・ 納豆
・ 牛乳
・ ヨーグルト
・ チーズ
など
貧血に即効性のある食べ物はある?コンビニで買える食品一覧
貧血対策に有効な鉄分やたんぱく質、ビタミンCなどの栄養素は、コンビニで買える食品から摂取することも可能です。
例えば、以下のようなコンビニ食品は貧血対策におすすめです。
【ご飯・おつまみ類】
・ 枝豆のおにぎり
・ 納豆巻
・ サバ缶
・ ほうれん草の胡麻和え
など
【おやつ類】
・ プルーン
・ カットフルーツ
・ 鉄分入りヨーグルト
・ 鉄分入り野菜ジュース
など
プルーンは、鉄分を豊富に含むおやつの代表格です。
甘くて美味しいので、毎日の息抜きに活用してみてはいかがでしょうか。
また、コンビニではカットフルーツも販売されています。冷凍のカットフルーツもあり、美味しく手軽にビタミンCを補給できます。
ほかにも、コンビニには、鉄分を効率良く補給できるヨーグルトや野菜ジュースなども販売されているので、成分表示を確認したり、パッケージに「鉄分」と書かれた商品をチェックしながら選んでみてください。
貧血対策におすすめの食べ物を使った簡単レシピ
ここまでは貧血対策におすすめの食べ物を紹介してきましたが、毎日の献立に無理なく取り入れるには、簡単で美味しい料理を作ることも大切です。
続いては、これまで紹介してきた肉や野菜を使って簡単に作れる、貧血対策におすすめの料理レシピを紹介します。
レバニラ炒め
レバニラ炒めは、鉄分とたんぱく質が豊富なレバーを使った貧血対策におすすめの料理です。
【材料】(2人前)
豚レバー:200g
ニラ:1束
塩・こしょう:少々
ニンニク:2かけ
ソース:大さじ1(★)
しょうゆ:大さじ1(★)
酒:大さじ2(★)
砂糖:大さじ½(★)
おろし生姜:大さじ1(★)
ごま油(仕上げ用):小さじ1
サラダ油:適量
(下味用)
片栗粉:大さじ1
ごま油:大さじ1
酒:大さじ1
しょうゆ:大さじ1
塩・こしょう:少々
【作り方】
① レバーを1口大にカットする
② 下味用の酒としょうゆを合わせ、①のレバーを15分ほど浸ける
③ ②に片栗粉とごま油を入れてもみ込む
④ フライパンにサラダ油とニンニクを入れ、火にかける
⑤ (★)の調味料をすべて合わせて、よく混ぜておく
⑥ フライパンの香りが立ったら、③のレバーを入れて両面をしっかり焼く
⑦ レバーに火が通ったら、カットしたニラと⑤の調味料を入れ、強火で炒める
⑧ 塩・こしょうで味を調え、仕上げ用のごま油を回しかける
ひじきと大豆の煮物
ひじきと大豆の煮物は、鉄分を多く含むひじき大豆を組み合わせた簡単レシピです。
大豆には、鉄分の吸収を促す銅も豊富に含まれているため、貧血対策におすすめです。
【材料】(2人分)
乾燥ひじき:10g
乾燥大豆:50g
水:200ml
油揚げ:1枚
にんじん:50g
だし汁:200ml
砂糖:大さじ1
みりん:大さじ1
しょうゆ:大さじ1・½
ごま油:大さじ1
【作り方】
① 大豆は一晩水につけて戻す
② ①の大豆を弱火でやわかくなるまで煮て、ザルにあげて水気を切っておく
③ ひじきを5〜15分間水につけて戻し、ザルにあげて水気を切っておく
④ 油揚げに熱湯(分量外)の中に入れ、裏表を返しながら油通し、パットにあげて水気を切っておく
⑤ 油揚げ・にんじんは細切りにする
⑥ 鍋にごま油を熱し、にんじん・ひじきの順に加えて軽く炒める
⑦ 大豆、油揚げ、だし汁を加えて、煮たったら砂糖・みりん・しょうゆを加える
⑧ 汁気がなくなるまで中火で煮詰めて完成
貧血対策には食べ物にプラスして1日1~2杯の青汁がおすすめ
貧血を予防するには、鉄分やたんぱく質、ビタミンCといった栄養素を食事から摂取することが重要です。
今回紹介した貧血対策におすすめの食べ物も参考に、簡単レシピやコンビニの食品も活用しながら、上手に栄養を取り入れていきましょう。
とはいえ、毎日栄養バランスの良い食事の献立を考えるのは簡単なことではありませんよね。
より手軽にできる貧血対策としておすすめなのが、「食事に1杯の青汁をプラスする」ことです。
青汁には、鉄分やビタミンC、食物繊維など、食事だけではどうしても不足しがちな栄養素が豊富に含まれています。
1日1~2杯飲むことで、貧血対策に欠かせない鉄分を手軽に補うことができ、牛乳やヨーグルトに溶かせばたんぱく質を摂取することも可能です。
特に国産大麦若葉100%原料の青汁は、クセが少なく飲みやすい味わいで、食事との相性も抜群です。食事に青汁をプラスして毎日の健康をサポートしてはいかがでしょうか。