鉄分は、健康維持のために必要不可欠な「必須ミネラル」の一つです。
レバーなどの肉やほうれん草などの野菜に多く含まれていますが、毎日の食事だけで十分に摂取し続けるのは難しく、鉄分不足に悩む方も少なくありません。
そこで今回は、鉄分を簡単にとる方法はあるのか、鉄分を多く含む食べ物や効率良く摂取するコツについて詳しく解説します。
【目次】
鉄分はなぜ必要?
鉄分は、主に血液中の赤血球の材料になるミネラルの一種です。
赤血球は、全身に酸素や栄養を運ぶ役割を担っているため、不足するとさまざまな不調を引き起こす可能性があり、積極的な摂取が推奨されています。
健康な人の体内には常時3〜4gの鉄分が存在しています。
このうち約70%は赤血球や筋肉の中に含まれるタンパク質の構成成分となり、「機能鉄」と呼ばれています。残り約30%は肝臓や骨髄などにストックされ、機能鉄が不足した時に使われる「貯蔵鉄」になります。
また、鉄分には動物性の食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性の食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。
ヘム鉄の吸収率は10〜20%程度で、非ヘム鉄の吸収率は2〜5%程度です。
1日に必要な摂取量の目安
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、年齢による差はあるものの、成人男性7.5mg程度、成人女性10.5mg程度の鉄分の摂取が推奨されています。
鉄分が不足するとどうなる?
体内の鉄分が不足すると、赤血球中のヘモグロビンが不足することにより、赤血球の数が減ります。
赤血球は全身に酸素を運ぶ役割を担っているため、この数が減ってしまうと全身に酸素が十分に供給されない状態になり、「鉄欠乏性貧血」に陥ってしまうでしょう。
鉄欠乏性貧血の主な症状には、以下のようなものがあります。
- ・集中力の低下
- ・頭痛
- ・食欲不振
- ・全身倦怠感
- ・めまい
- ・耳鳴り
- ・息切れ
- ・イライラする
- ・動悸
- ・抜け毛や枝毛が増える
鉄欠乏性貧血は、全身の不調につながる病気です。
徐々に症状が進行していくため、最初のうちは気づきにくいこともあります。
また、鉄分不足が引き起こす病気は貧血だけではありません。味覚障害やレストレスレッグス症候群(むずむず症候群・下肢静止不能症候群)といった病気になることもあるので、注意しましょう。
鉄分を簡単にとる方法はある?
健康を維持するためには、成人男性7.5mg程度、成人女性10.5mg程度の鉄分を摂取し続ける必要があります。
ここからは、鉄分を簡単にとる方法について、いくつか紹介します。
鉄分を多く含む食べ物・飲み物をとる
鉄分は、以下のような食べ物、飲み物に多く含まれています。
【肉類・魚などの動物性食品】
- ・豚レバー
- ・鶏レバー
- ・牛レバー
- ・牛赤身肉
- ・カツオ
- ・イワシ
- ・マグロ
など
【その他・動物性食品】
- ・鶏卵
- ・あさり
- ・かき
など
【野菜などの植物性食品】
- ・小松菜
- ・ほうれん草
- ・枝豆
- ・豆乳
- ・厚揚げ
- ・ひじき
など
動物性食品には、吸収効率の良いヘム鉄が豊富に含まれています。なかでも、特に含有量が多いのは、豚レバーです。
植物性食品に含まれているのは非ヘム鉄ですが、肉類よりも1度に摂取できる量が多いのが魅力です。特に、葉物野菜は茹でたり炒めたりするとカサが減るので、一度にたくさん食べやすいでしょう。
ビタミンCを一緒にとる
植物性食品に含まれる非ヘム鉄は、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収されやすくなります。
ビタミンCが多く含まれるのは、以下のような食材です。
- ・いちご
- ・キウイフルーツ
- ・レモン
- ・グレープフルーツ
- ・ジャガイモ
- ・サツマイモ
- ・ピーマン
- ・菜の花
- ・ブロッコリー
など
ビタミンCは野菜や果物に豊富に含まれる水溶性ビタミンです。
水に溶けやすい性質を持っているので、茹でると煮汁に溶け出してしまいます。
効率良く摂取するなら、生で食べられる果物を中心にとるか、野菜の場合はスープや味噌汁に入れて煮汁ごと食べると良いでしょう。
タンパク質を一緒にとる
動物性タンパク質にも、鉄分の吸収を促進する効果が期待できます。
動物性タンパク質は、主に以下のような食材に豊富に含まれています。
- ・ 肉類(牛・鶏・豚・馬肉など)
- ・ 魚介類(アジ、鮭、カツオ、イワシ、マグロなど)
- ・ 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)
- ・ 穀類(白米、玄米、食パンなど)
- ・ 卵
- ・ごま
など
特に、レバーや赤身肉、カツオやイワシなどの魚類は、鉄分と動物性タンパク質を同時に摂取できるおすすめの食材です。ぜひ毎日の献立に取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、卵やごまにもタンパク質が豊富に含まれているので、「卵とレバーの炒めもの」や「ほうれん草の胡麻和え」なども、効率よく鉄分が摂取できるおすすめのメニューです。
鉄分の吸収を妨げる食べ物・飲み物は避ける
鉄分の吸収を助けてくれる栄養成分がある一方で、鉄分の吸収を妨げる成分もあります。
以下のような成分には注意が必要です。
フィチン酸 | 米ぬかや小麦、ピーナッツなどに含まれるビタミンBの一種 |
シュウ酸 | たけのこやなす、チョコなどに含まれる成分 とり過ぎると尿路結石の原因になる |
タンニン | 赤ワインやコーヒーなどに含まれる渋み成分 |
いずれの成分も、過剰に摂取しなければ害はありませんが、とり過ぎると鉄分の吸収を阻害してしまうので注意しましょう。
1日1~2杯の青汁で補う
食事だけでは不足しがちな鉄分を補うのにおすすめなのが、青汁です。
例えば、大麦若葉を原料とする青汁には、鉄分と鉄分の吸収をサポートしてくれるビタミンCが、どちらも豊富に含まれています。
また、大麦若葉を原料とする青汁は、青臭さや苦味が少なく、抹茶に近い風味なので、食事との相性も抜群です。
水に溶かすだけで手軽に飲むことができ、鉄分やビタミンC以外にも、食物繊維やビタミン、ミネラルがバランスよく含まれているので、健康を維持したい人におすすめです。
鉄分を簡単にとるなら青汁を上手に活用しよう
鉄分は毎日の健康に欠かせない栄養素ですが、食事だけではどうしても不足しがちです。
鉄分を効率良く取り入れるには、ビタミンCやタンパク質と一緒に同時に摂取したり、吸収効率が良いヘム鉄を積極的に摂取するなどの工夫が必要になるでしょう。
鉄分をより簡単にとるには、青汁の活用がおすすめです。
青汁なら、コップ1杯で鉄分とビタミンCを同時に補給することができ、食物繊維やビタミン、ミネラルがバランス良く含まれています。
まずは1日1杯から、不足しがちな栄養を青汁で補う健康習慣を始めてみませんか。