青汁に含まれる栄養素の一つにビタミンKがあります。ビタミンKは、血液の凝固や骨の健康に関わる重要な栄養素ですが、一部の薬との飲み合わせに注意が必要です。
特に、ワーファリンを服用している方は、青汁を飲むときに気をつけたいポイントがあります。
この記事では、青汁に含まれるビタミンKの含有量や健康への影響、飲み合わせの注意点について詳しく解説します。

【目次】
青汁のビタミンK含有量は?

ビタミンKは脂溶性ビタミンの一種で、血液の凝固や骨の健康に関わる重要な栄養素です。水に溶けにくく、脂質と一緒にとることで体内の吸収率が高まるという特徴があります。
納豆やほうれん草などに多く含まれていますが、青汁の原料である大麦若葉、ケール、明日葉などにもビタミンKが含まれています。
例えば、日本薬健が販売する大麦若葉が原料の青汁のビタミンK含有量は、以下の通りです。
商品名 | ビタミンK含有量 |
---|---|
金の青汁®純国産大麦若葉100%粉末 | 81μg(1パック3gあたり) |
金の青汁®25種の純国産野菜 乳酸菌×酵素 | 47μg(1パック3.5gあたり) |
また、一般的にケールを原料とする青汁は、ビタミンKの含有量が特に多い傾向にあります。
青汁のビタミンK含有量は原料の種類や商品によって異なるため、摂取量を意識したい方は、成分表示を確認しましょう。
ビタミンKの主な働き

ビタミンKには、主に以下のような2つの重要な役割があります。
血液の凝固を助ける
ビタミンKは、血液の凝固に関与する「血液凝固因子(プロトロンビンなど)」の合成を助ける重要な栄養素です。血管が傷ついた際、血液が適切に固まることで出血を止める役割を果たします。
具体的には、肝臓で血液凝固因子を活性化させる働きがあり、特にプロトロンビンは、血液凝固のカスケード反応(連鎖的な反応)において重要な役割を担います。ビタミンKが十分にあることで、フィブリン(血栓のもと)が形成されやすくなり、適切なタイミングで出血が止まるのです。
骨の健康を支える
ビタミンKは丈夫な骨をつくるために必要な栄養素でもあります。
カルシウムを骨にとり込みやすくする働きがあり、具体的にはオステオカルシンというたんぱく質の活性化を助け、骨の石灰化を促します。
近年の研究では、ビタミンKを十分に摂取することで骨粗鬆症の予防に役立つ可能性が示唆されており、特に閉経後の女性や高齢者に推奨されています。
ビタミンKが不足するとどうなる?

ビタミンKが不足すると、血液の凝固や骨の健康に影響を及ぼす可能性があります。
具体的には、以下のような症状が現れるでしょう。
- ●出血が止まりにくくなる(鼻血・歯茎からの出血・血尿・月経過多など)
- ●皮膚に青あざができやすくなる
- ●骨密度の低下(骨粗鬆症のリスク増加・骨折しやすくなる)
これらの症状が現れる場合、ビタミンK欠乏症の可能性があります。
ただし、通常の食生活を送っている限り、健康な成人がビタミンK不足に陥ることはほとんどありません。
これは、ビタミンKが食事から摂取できるだけでなく、腸内細菌によって体内でも合成されるためです。
ただし、腸内細菌が未発達な新生児や、加齢により食事性の脂質摂取量の減少、膵液や胆汁の分泌量が低下する高齢者では、腸管からうまくビタミンKが吸収できず、不足することがあります。
ビタミンKのとり過ぎは良くない?

ビタミンKは脂溶性ビタミンの一種で、体内に蓄積されやすい性質を持っています。
しかし、現時点ではビタミンKの過剰摂取による健康被害は報告されておらず、過剰症の心配はほとんどないとされています。
そのため、ビタミンAやビタミンDといった他の脂溶性ビタミンと異なり、1日の上限摂取量も設定されていません。
ただし、どんな栄養素でも極端に偏って摂取することはよくありません。
特に、ビタミンKの働きが影響を及ぼす可能性のある特定の薬との飲み合わせには注意が必要です。
ここでは、ビタミンKの1日の摂取基準量や、注意すべき薬について詳しく解説します。
1日の摂取基準量
ビタミンKの摂取基準量(目安量)は、以下の通りです。
年齢 | 男性(μg/日) | 女性(μg/日) |
---|---|---|
18~29歳 | 150 | 150 |
30~49歳 | 150 | 150 |
50~64歳 | 150 | 150 |
65~74歳 | 150 | 150 |
75歳以上 | 150 | 150 |
出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
以下のような方は、ビタミンKを意識的に摂取することが推奨されています。
- ●高齢者
- ●長期間抗生物質を服用している人
- ●閉経後の女性
一緒に飲んではいけない薬
ビタミンKは、血液の凝固を助ける働きを持っています。
そのため、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)である「ワーファリン」を服用している場合、ビタミンKの摂取量に注意が必要です。
ワーファリンは、血栓ができるのを防ぐ薬で、血液を固まりにくくする作用があります。ビタミンKの働きを阻害することで効果を発揮するため、ビタミンKを多く含む食品を摂取すると、薬の作用が弱まってしまう可能性があるのです。
ビタミンKを多く含む食べ物

ビタミンKは、さまざまな食品に含まれていますが、特に緑黄色野菜や発酵食品、海藻類、肉類に多く含まれます。
青汁の主成分であるケール、大麦若葉、明日葉もビタミンKが豊富な食品の一つです。
【ビタミンKを多く含む食品一覧】
野菜類 |
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海藻類 |
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発酵食品 |
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肉・魚類 |
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ビタミンKは脂溶性のため、油を使った調理(炒め物・ドレッシングなど)と組み合わせると、吸収率が向上します。
熱に強いため、加熱調理しても栄養が損なわれにくく、料理にとり入れやすいのも特徴です。
また、お茶の葉にもビタミンKが豊富に含まれています。
抹茶や玉露など茶葉ごと摂取できる飲み物は、ビタミンKを手軽に補給するのに適しています。
ビタミンKを含む青汁は1日何杯が目安?

青汁は、野菜を濃縮して作られた健康食品で、ビタミンKをはじめ、ビタミンAやビタミンEなどの脂溶性ビタミン、鉄や銅といったミネラルを含みます。
前述の通り、ビタミンKの過剰摂取による健康被害は報告されていないものの、ビタミンAのとり過ぎは肝臓に負担をかける可能性があります。
青汁を飲む際は、普段の食事で不足しがちな栄養を補う目的で、1日1〜2杯を目安にするとよいでしょう。
ビタミンKは健康維持に重要なビタミン!青汁で美味しく補おう

ビタミンKは、ほうれん草や納豆、わかめなどの食品に含まれており、通常の食生活を送っていれば不足することはほとんどありません。
しかし、長期間抗生物質を服用している場合や、加齢によって膵液や胆汁の分泌が低下していると、腸内でのビタミンKの吸収がうまくいかず、不足する可能性があります。
また、骨粗鬆症のリスクが高まる高齢者や閉経後の女性も積極的に摂取したい栄養素の一つです。
食生活が偏りがちな方や、手軽に野菜の栄養を補いたい方は、青汁を活用するのもおすすめです。
健やかな毎日のサポートに、ぜひ1日1〜2杯の青汁をとり入れてみてはいかがでしょうか。